教職を目指していた大学時代の自分に手紙を送るなら
教職を目指していた大学時代の自分に手紙を送るなら
twitterで教職を目指す人のつぶやきを見て、胸が痛くなった。大学時代の自分へ手紙を書くなら、悲しいけど、こうだなぁ。
ーいい仕事だけど、プライベートないよ。本当にないよ。月にたった2回休みを取るのに、他の顧問や生徒や教頭先生に謝らないといけないし、その休みの日に遊んでいるところを見つかっちゃいけないよ。夏休みも、ないよ。お盆は合宿だよ!正月も3日からトレーニングだよ!
まだ間に合う!心身の健康を守るのだ!一時心が揺れていた、あのメーカーへの就職をめざして、路線変更だ!ー
教職を選んだときの気持ち
「素晴らしい仕事だと思うから」「やりがいがあると思うから」
「教育実習のとき生徒がすごくかわいかったから」
Twitterに挙がっていた、教職を目指す理由。私も同じように考えて、この仕事を選んだ。
「やりたいこと」以外の視点も必要だろうと、すでに社会人になっていた先輩に話を聞いて「仕事内容以外に福利厚生もきちんとチェックしておくべし」と教わったから、募集要項の福利厚生欄もチェックした。(保険、だいたいのお給料、勤務日)
先生ってちょっと大変とは聞くけれど、私なら大丈夫!と思っていた。健康だし根性あるし。
教職の現実ーうそっぱちだよ要項はー
そうして納得して教職を選んだのだけど、現実は全然違った。
精神的な病気休職の多さと、3,40代の中途退職者の多さよ。
当時、プリントアウトして手元においていた募集要項を見つけた。
嘘八百で、驚いている。
①「勤務日は月~金と土曜半日」
うそこけ~~~!どこがじゃ~~~~!
「勤務日は盆と正月以外毎日です」だろが~~~!
「日曜は、他の顧問と生徒の許可をとることができたらお休みあげます」だろが~~~!
「あ、でも、公式戦の日曜日は絶対勤務で~す!7:30集合で、日が暮れたら解散です。お駄賃3000円あげちゃいます!」だろうが~~~!
「遠いからって、高速道路に乗ったって、高速料金は出さないよ!駐車料金も出さないよ!大荷物でも、3時間かかる場所でも、電車じゃなければ交通費は自腹だよ!」だろうが~~~!
②「勤務時間:平日8:00~17:00 土曜日8:00~13:00」
うそこけ~~~!どこの誰が土曜日13:00に退勤してるっていうんじゃ~~~!仕事しないと評判の彼だけじゃないか~~~!
普通に仕事していたら、普通の神経していたら、とてもじゃないけど帰れない。
全体会議が16:30から始まる。
労働問題改善のための会議が18:30から始まる。
よくもこんな嘘の時間を書けたものだな・・・と呆れちゃう。
③残業代は・・・明記なし
日曜日以外は、なーーーし!これも募集要項に明記しておけ~~~!
よくもこんなにシャアシャアと嘘ばっかり書いたものだ。
募集要項に載っていたものの中で本当なのは、校長名・所在地・担当科目くらいだなと思った。
「こんなしっかりした要項にウソ書いてあるはずないし、大丈夫でしょ!」と思って、教員になったけど、嘘だとわかっていたら、選んだだろうか・・・。
休みの少なさ(月2回)、労働時間の長さ(月300時間は越える。残業は120時間)、寝不足と部活での日焼けで肌がボロボロになること、生徒や保護者からのクレーム…あたりがしんどかった。
死にたいと思いながら寝て、朝目が覚めて絶望して、昼間は忙しくて元気で、夜にはまだ死にたいと思っている・・・という感じだった。
他の仕事をしたことがないから比較ができないけれど、もし自分の親戚が教員を目指していると言っていたら、止めちゃう。
まとめー大学時代の自分に忠告するならばー
教員は素晴らしい仕事だと思ったのと、募集要項に載っていた福利厚生と勤務時間にも納得したのでこの仕事を選んだけれど、現実は全然違った。
長時間労働で、精神状態も健康状態もときどき変になるくらい、大変だった。仕事の中身はとても気に入っているけれど、それでもキツい。いい仕事だし生徒と触れ合うのはとても楽しいけど。
募集要項に書いてあることは、校長名と所在地以外、ほとんどうそだと思って臨むべし。
すでに教員である自分へ
心身の健康に危機を感じたら、周りにどんなに迷惑をかけようが、気にせず辞めること。
でも、せっかく選んだこの道。なんとかこの道で、いい仕事をして社会に貢献できるようにがんばっていこう。